誘導の作用と材料の由来を分ける

脊索は胚の軸に沿う中胚葉由来の構造で、神経板の形成などへ誘導的な影響を与えます。誘導とは、ある組織などからの信号が、受け手の細胞の分化や形づくりに影響する関係です。脊索が影響することは、脊索の細胞が神経管の材料へそのまま変わることではありません。神経管の材料は神経外胚葉の系統です。信号による影響、細胞の移動、受け手が分化することを分けると、神経堤の移動・寄与とも混同しません。一つの組織の関与を、全ての材料供給や全形成の唯一の条件に置き換えないようにします。

脊索の誘導と神経管の材料

上段の神経外胚葉の下に脊索がある。脊索から上へ向かう破線の信号矢印と、神経外胚葉から下段の神経管へ続く実線の系統経路を分ける。脊索から神経管への材料経路はない。信号矢印の凡例は本体と同じ形と寸法。
中胚葉由来の脊索は、神経外胚葉に誘導的な影響を与える。信号が分化や形づくりへ作用することと、細胞が材料として移ることは異なる。神経管の材料は神経外胚葉の系統であり、脊索の細胞がそのまま神経管になるわけではない。