流れに使う圧差と、肺を広げる圧差

外気圧は体の外の空気の圧、肺胞内圧は肺胞の空気の圧、胸膜腔圧は胸膜の間の圧である。気道の空気の正味の流れは、肺胞内圧と外気圧の差で読む。一方、肺を広げる側の圧差である経肺圧は、肺胞内圧から胸膜腔圧を引く。慣性などを扱わない開放気道の模型では、空気は高い圧側から低い圧側へ流れる。外気圧を0として表示する場合の−1などは、外気より低いという相対表示である。絶対的な圧が負という意味ではない。

筋・肺の広がり・気流

同じ正面向きの胸郭と肺を上下の静かな吸気/呼気の二場面で示す。上の吸気では外気から開いた気道を下る実線矢印があり、胸郭の内側が左右へ広がり、横隔膜が収縮して下がることを破線の動き矢印で示す。肺の輪郭の内側には複数の小さい肺胞空間を描き、肺そのものを空虚な一個の筋の袋にしない。下の呼気では吸気筋が緩み、肺が前の大きい輪郭から小さい輪郭へ戻る方向を破線矢印で示し、気道の実線矢印は上向きに外へ出る。吸気に肺胞内圧が外気圧より低い、呼気に肺胞内圧が外気圧より高い時期をそれぞれ直接表示する。破線は構造の動き、実線の矢印は空気の向きであり、力や流量を同じ尺度で測定した矢印ではない。胸郭も位置が変わるが、胸壁の固有弾性が常に内向きに働くとは描かない。静かな呼吸の例で、全吸気が横隔膜だけ、全呼気が受動的という一般化やガス交換全体の完了を示さない。
静かな呼吸の模式です。吸気では横隔膜の収縮と胸郭内の容積増加に肺が伴い、肺胞内圧が外気より低い時期に空気が入ります。呼気では吸気筋が緩み、とくに肺の弾性による戻りで肺胞内圧が高い時期に出ます。胸郭の位置変化を、胸壁固有の弾性が常に内向きという意味にしません。強い呼気の筋活動や実寸・量・速度は示しません。