広がった肺でも、正味の流れは0になる

気道が開き、空気の正味の流れが止まった静的な時点では、肺胞内圧は外気圧と等しい。このとき胸膜腔圧が肺胞内圧より低ければ、経肺圧は正で、肺が広がった状態と両立する。例えば外気を0とした表示で肺胞内圧0、胸膜腔圧−5なら、経肺圧は5である。これは圧の比較用の模型値である。正味の流れ0は、肺に空気がないことや分子の運動が止まることを意味しない。開いている気道を、流れが止まっただけで閉じたと判断しない。

広がった肺・正味の気流0

開いた気道が外気から肺の中の肺胞空気へ続く静止の模式。外気圧0を気道の外側に、肺胞内圧0を肺内の小さい空気空間の記録点に、胸膜腔圧−5を肺表面と胸壁側の間の点模様の帯の記録点に、それぞれ別の引出線で対応させる。肺は広がった輪郭のままで、胸膜の間の圧の場所と肺胞の空気は同じ一室ではない。外気と肺胞の差は0−0=0で正味の気流は0。経肺圧は肺胞内圧から胸膜腔圧を引いた0−(−5)=5で正となる。気道の閉塞を示す横棒や、空気がない肺、分子が止まった記号は置かない。0と−5は外気を共通の0とした比較用の圧単位で、絶対圧が負や普遍の生理正常値ではない。図の肺胞空間・膜間隙は位置を読むためまとめたり広げたりしてあり、実寸や量比は示さない。
気道が開き、流れが止まった静止模型です。外気を0とした共通の相対基準・同じ圧単位の模型値を使います。肺胞内圧と外気圧が同じでも、胸膜腔圧が低ければ経肺圧は正で、広がった肺と両立します。肺胞空気は小空間にまとめ、膜間隙は拡大しています。普遍の正常値・正確な量や、分子運動の停止を示しません。