空気の供給と、血液の供給

肺胞へ空気を出入りさせることが換気、肺の毛細血管へ血液を流すことが灌流である。血液は右心から肺へ送られ、肺から左心へ戻る。この血流に対し、酸素や二酸化炭素が肺胞と血液の境界を越えるのが拡散である。換気、灌流、拡散は関わり合うが同じ測定ではない。空気の出入りが記録されても、酸素が血液へ移った量を直接測ったことにはならない。

空気と血液は、壁の両側

上に肺胞の空気、下に毛細血管内の血液を置き、その間を三つの別の薄い層に分けた断面模式。上の層はI型肺胞上皮、その下の斜線の層は基底膜など、その下の層は毛細血管内皮。右の破線の酸素矢印は空気側から三層を越えて血液側へ、二酸化炭素の破線矢印は血液側から空気側へ向かう。血液領域の下では太い実線矢印を横向きに置き、血管に沿う血流と壁越え移動を分ける。各層の名称は短い引出線で対応し、一個の細胞膜を三層全体と同一には扱わない。空気側は体液ではなく、血液がそのまま空気側へ流れる矢印もない。ガスの向きは通常の肺の条件で、各ガス自身の分圧差による。壁の各厚さは見やすい拡大で、胸膜二葉の間隙をこの壁の一層に混ぜていない。
肺胞壁の一部を拡大した断面です。空気と血液の間のI型肺胞上皮、基底膜などの薄い境界、毛細血管内皮を分けます。破線矢印は壁を越えるガス、実線矢印は血管内血流です。細胞と壁の厚さ・隙間は読めるように広げ、実寸や量を表しません。胸膜の図とは別の拡大です。

各ガスは、自分の分圧差で

上の肺胞空気と下の血液を、横の薄い境界で分けた拡散方向の模式。上の空気側に酸素の分圧が高い、二酸化炭素の分圧が低いと書き、下の血液側には酸素の分圧が低い、二酸化炭素の分圧が高いと書く。紙面左寄りの酸素の破線矢印は空気から境界を下へ越え、右寄りの二酸化炭素の破線矢印は血液から境界を上へ越える。各名称からの引出線はその別の矢印へ直接届く。矢印は各ガス自身の分圧差で決まる正味の拡散で、空気全体や血液の流れとは別である。高い/低いはこの通常の肺の両側間の比較で、酸素と二酸化炭素の値同士の大小、速度、量比を示さない。数値の分圧や混合気体の絶対全圧、壁の厚さと面積はこの図で測定していない。
通常の肺の向きを示す模式です。酸素は肺胞側の分圧が高い方から血液へ、二酸化炭素は血液側の分圧が高い方から肺胞へ向かいます。破線矢印はそれぞれのガスの正味拡散で、空気全体の気流や血管内の血流ではありません。二つの分圧差を、混合気体の全圧差へまとめません。各値・流量・壁の実厚は未表示です。