データの読み方・統計の基盤

本文の目次

  1. 対象全体と調べた一部
  2. 中心を表す方法は一つではない
  3. 中心が同じでも散らばりは違う
  4. 平均との差は二乗してから集める
  5. 高さだけで度数を比べない
  6. 係数の外にも関係を見る
  7. 予測と観測の差を比べる
  8. 見え方と元の数値を分ける

1. 対象全体と調べた一部

傾向を知りたい集団全体が母集団で、その一部を抽出した集まりが標本です。一部から全体を推測するには、人数だけでなく選び方を確認します。特定の条件を持つ人だけが選ばれていないか、全体を抽出対象にできているかが重要です。

2. 中心を表す方法は一つではない

平均値は合計を個数で割った値です。中央値は値を並べた中央を表し、最頻値は最も多く現れる値を表します。端の大きな値を変えると合計は大きく変わっても、中央の順位にある値がそのままの場合があります。何を代表させたいかに合わせて使い分けましょう。

3. 中心が同じでも散らばりは違う

平均値だけでデータの全体像は分かりません。最大値から最小値を引いた範囲は、全体の幅を表します。第3四分位数から第1四分位数を引く四分位範囲は、中心付近の幅を見る目安です。全体の端と中心付近を分けて見ることができます。

4. 平均との差は二乗してから集める

平均との差を符号付きのまま足すと、正と負が打ち消し合います。全データを記述する分散では各差を二乗してから平均します。標準偏差はその平方根なので、もとの測定値と同じ単位に戻ります。平均との差の合計が0でも、すべての値が同じとは限りません。

5. 高さだけで度数を比べない

度数はその階級に属する個数です。ヒストグラムでは長方形の面積が度数に対応するため、階級の幅が異なる場合は高さだけで比べません。同じ度数で幅が2倍なら、高さは半分にして面積をそろえます。

6. 係数の外にも関係を見る

相関係数は二つの量の線形の関係を表す指標です。正負と強さを読むことは、原因を特定することとは別です。0でも曲線的な関係が残る場合があり、強い相関でも見せかけの関係の可能性があります。散布図や背景も確認しましょう。

7. 予測と観測の差を比べる

実測値と予測値の差を残差と呼びます。符号付きで足すと大きな正負が打ち消し合うため、最小二乗法では残差の二乗和を使います。同じ観測を説明する二つのモデルを比べるとき、残差の合計0だけでは予測の近さを区別できません。

8. 見え方と元の数値を分ける

グラフは単位、目盛、軸の省略によって印象が変わります。棒の長さが何倍に見えるかと、元の値の比は常に同じとは限りません。どの量を、どの単位や尺度で描いているかを確かめてから読み取りましょう。