集計の分母と時間

本文の目次

  1. 現在ある状態と、新しく生じた状態
  2. 分母に期間を添える
  3. 人時間を合計する
  4. 割合と、時間当たりの発生
  5. 途中で終わった観察
  6. 発生が同じでも、状態の人数は変わる

1. 現在ある状態と、新しく生じた状態

時点有病割合は、ある時点に疾病を有する人を、その時点の集団の人数で割る。以前から続く状態も含む。一方、累積罹患割合は、開始時には疾病がなく発生し得る人のうち、指定した期間中に新しく生じた人の割合である。開始時と終了時の状態、過去の履歴、新しい発生を分けて数える。

2. 分母に期間を添える

期間リスクは、何か月・何年の期間かを併記する。閉鎖集団を全員同じ期間追跡した例では、開始時に発生し得る人数を分母にする。一か月のリスクを単純に12倍して一年リスクにすることはできない。まだ観察していない期間の発生規則が必要になる。

3. 人時間を合計する

人時間は、発生し得る状態で観察された時間を各人について合計する。初回発生を調べるなら、その人の時間は初回までを数える。初回がない人は確認できた観察の終わりまで数える。人年・人月などの単位を必ず添え、暦の期間だけや終了時の人数だけを合計人時間の代わりにしない。

4. 割合と、時間当たりの発生

新しい発生数を人時間で割る発生密度は、件/人年などの単位を持つ。期間リスクの割合とは別の量であり、そのまま一年間の確率へ置き換えない。人年を人月へ直すと同じ総時間は12倍となり、人月当たりの値は人年当たりの12分の1になる。

5. 途中で終わった観察

最後の観察時点に発生がなくても、その後の発生なしを確認したことにはならない。途中で人が加わったり抜けたりすると、全員が同じ期間を観察された集団とも異なる。どの期間が分かり、どの期間が分からないかを記録し、未確認の人を自動的に発生なしや発生ありへ置き換えない。

6. 発生が同じでも、状態の人数は変わる

ある時点の状態人数は、新しく始まった人数だけでなく、状態が終わる時期にも関わる。新しい発生数が同じでも、長く続けばその時点に残る人数が多くなり得る。集団への加入で全体の人数が変わることもある。初回を調べるのか、繰返しの回数を調べるのかも先に決める。

用語を確かめる

時点有病割合
ある時点で疾病を有する人数を、その時点の対象集団の人数で割った割合。過去に生じて今も続いている人を含む。
累積罹患割合
開始時に疾病がなく発生し得る人のうち、指定期間に新しく生じた人の割合。単純な人数の式には、同じ期間を追跡できた集団という条件を置く。
人時間
各人が発生し得る状態で観察された時間を足し合わせた量。人年・人月などで表し、調べる発生の定義に対応する終点まで数える。
発生密度
新しい発生数を、発生し得る状態で観察された合計人時間で割った量。件/人年などの単位を持ち、期間リスクの確率そのものではない。