ATPと、細胞内の水の調節

細胞のATP供給と、ATPを使う働きは別の過程です。傷害でATP供給が不足すると、ATPを使ってイオンの分布を保つ膜輸送が弱まる場合があります。代表的な経路では、細胞内にNa⁺などがたまり、水が膜を通れる条件で細胞内へ入り、細胞が腫れることへつながります。この細胞内の水の増加を、血管の外で細胞の間に液体がたまることと区別します。全ての傷害が同じ経路や見え方をとるという意味ではありません。

ATP不足と細胞内の水の増加

上段はATPを使用する膜輸送によりNa⁺の分布が調節される細胞。下段はATP供給不足で輸送が弱まり、細胞内にNa⁺が蓄積する。細胞外の水から細胞内へ向かう破線矢印と、大きくなった閉じた細胞膜が、水の流入による膨化を示す。
傷害でATPの供給が不足すると、ATPを使う膜輸送が弱まり、細胞内にNa⁺などがたまりやすくなります。水が通れる条件では水が細胞内へ移動し、細胞が膨れます。これは間質に液体がたまる変化とは区別されます。