架橋は結合と離脱を繰り返す

ATPは細胞のエネルギーの受渡しに関わる分子である。アクチンへ強く結合したミオシン頭部には、新しいATPが結合すると離脱が起きる。離れた頭部で、そのATPを水との反応で分解する加水分解が次の力発生へ向けた準備に関わる。薄いフィラメント側の条件が整うと、準備された頭部が再びアクチンへ結合し、力を発生する過程へ進む。その後、新しいATPが結合して再び離れる。この一周の中で、ATPの結合による離脱と、加水分解による準備と、再結合後の力発生を入れ替えない。ATPの結合だけが、直ちに引く動作そのものになるわけではない。

同じ頭部の一周

上に、Caによる薄いフィラメント側の条件が整うことを示す条件枠を置く。四つの縦のコマでは、丸が連なったアクチンと、その下の同じミオシン頭部・軸の関係を追う。第一コマは頭部がアクチンへ結合し力を生む段階で、頭部の相対的な向きの変化とアクチンの相対滑走を示す。第二コマは新しいATPが頭部へ結合するとアクチンから離れる段階。第三コマは離れた頭部でATPが加水分解され、向きが変わり次の力発生に向けて準備される段階で、まだ再結合していない。第四コマは薄い側の条件が整ったもとで準備された頭部が再結合する段階。外側の一周矢印で第一コマの力を生む段階へ戻る。ATPの結合を即座の引き動作にせず、Caを頭部の代替エネルギー源にしない。薄い側の詳細な調節分子やPi/ADPの時刻は省略し、一つの頭部の条件付き周期の模式である。
薄いフィラメント側が相互作用できる条件を保った、一つのミオシン頭部の周期模型です。力を生む結合、新しいATPによる離脱、加水分解による準備、再結合を別の絵で追います。Caによる薄い側の調節は頭部のエネルギー利用とは別です。矢印は段階や相対滑走を示し、実際の寸法・同時性・反応速度は表しません。