弛緩にもATPが関わる

筋の細胞質にあるCa²⁺は、ATPを使う回収ポンプによってSR内腔へ戻る。細胞質のCa²⁺濃度が低下すると、薄いフィラメント側の調節が休止側へ戻り、力を生む相互作用が減る。筋が能動的な力を弱めていく弛緩にもATPが関わる。ATPを使ったという記録だけで、必ず力が増したと判断しない。SRからの新たな放出が止まっても、既存のCa²⁺の回収を省けるわけではない。

T管と別のCaの袋

典型的な正常骨格筋の筋線維を切った模式。上の細胞外の液体から続く白いT管腔が、筋の膜のU字の陥入の中へ深く続く。T管は筋の細胞膜で囲まれた外液側の通路で、緑色の筋の細胞質ではない。右の筋小胞体は独立した閉じた袋で、T管腔との開通は描かない。筋の活動電位が筋の表面からT管の膜へ伝わる破線と、その電位変化から放出へ連なる関係を袋側へ向けて示す。図内も電気と連関のラベルを分け、後者を活動電位が筋小胞体膜を伝導する道としない。筋小胞体内のカルシウムが袋の内腔から膜を越える下向き実線矢印で筋の細胞質へ放出される。これは神経筋接合部の図で示す細胞外から神経終末内へ入るカルシウムと出発・到着が違う。下の別場面は筋の細胞質のカルシウムがATPを使う回収ポンプを介して筋小胞体へ戻る方向を示す。回収ポンプは袋の膜上に位置し、図内の名称、輪郭とATP使用の表示で区別し、回収による細胞質Ca低下と調節の休止側への戻りを示す。放出停止と既に出たカルシウムの回収は別過程で、実際の寸法や全結合タンパク質は示さない。
筋線維の膜が内側へ入り込むT管の内腔は外液へつながります。筋小胞体はそれと開通しない別の袋です。上は電位変化に連なるCa放出、下はATPを使う回収を示す別の場面です。破線は膜の電気の連絡と放出への連関で、筋小胞体を活動電位が走る意味ではありません。実線矢印はCa移動で、配置と量は模式です。放出が止まるだけで回収が済む意味ではありません。